ころがる消しゴムのように
まさか教室の後ろの席に
座っていたのが
あのこだったと知ってからは
なんだか落ち着かない
転がる消しゴムのように
あのこの近くへは行けない
ボールのように角をとって
丸くしたらどうかなってこする
あの日落とした消しゴムがなんと
珍しいことに
真後ろに転がったせいで
あのこが拾ってくれたわけ
転がる消しゴムのように
あのこの近くへは行けない
もいちど狙って落としても
だいたい隣に転がってしまう
こするこする手の中でこっそり
まるくまるくボールならおてのもの
偶然と必然は紙一重
こんな近くにいたのね
ありがとうっていいたいな
うまくやればもういちど
転がる消しゴムのように
あのこの近くへ行けない
ボールのように角をとって
丸くしたらどうかなってこする
作品集へ戻る
作品一覧へ戻る