きみは考えない
終わらせるのは簡単さ
きみのこと考えなければいいだけ
どこにいるのかわかんないくらい
目立たない子だったんだし
次の試合が決まって ぼくだって忙しいんだから
今日はうしろを振り向かないし
図書室にだって近づかない
あの窓だってのぞかなければ
きっときみのこと 考えなくてすむはず
忘れるなんて簡単さ
きみのこと探さなければいいだけ
拾ってくれた消しゴムだって
転がりすぎて見つからない
レギュラー入りしたって 教室で話してるのに
今日もきみは振り向かないし
ぼくの声だって聞こえてない
あんなに読んでる本の中に
たったの一文字 野球のやのじもないの
たまにはきみがぼくのこと
考えてくれたらいいのに
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