遺し書き
富士見町へ登る坂道
どうして僕の好きになる子は
坂の上に住んでいるのかと
苦笑いだよ見た目うす笑い
いくつも出会いそして
いくつも別れ何故に
別れなきゃならなかったのか
思い出せないよ
散歩道は喉が渇くね
缶コーヒーの好きな子はいない
缶に口をつけられないのは
誰だったっけいつのことだっけ
歩道橋が揺れて驚く
どうしてみんな同じ顔したの
手すりと僕を掴んでいたのは
誰だったっけみんなそうだっけ
いくつも出会いそして
いくつも別れその度
明日を待ちきれなくなって
生きてこられたよ
ふとありがとうと言いたくなった
僕の好きだったすべての人に
津久戸町へ向かう坂道眺め
歩道橋でしばし立ち止まる
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