はじまらない物語
一般常識から言って
僕がやろうとしていることは
いわゆるなんぱではなかろうか
小中高大学校で僕が学んだ全てのことは
自分は人見知りの意気地なし
それなのにそれなのに
このままでいられない
どうしたら僕たちは始まるのだろうか
ひと雨ごとに季節は変わる
もしかして僕たちは始まっているのかな
季節の変わり目のようにさりげなく
だいたい大人というものは
あらゆる結果を想定する
決して外れたりしないようにって
一体全体どうやって
君に切り込んだら良いのやら
いつもの窓辺で考える
考えているうちに下車駅がやってくる
どうしたら僕たちは始まるのだろうか
ひと雨ごとに季節は変わる
もしかして僕たちは始まっているのかな
季節の変わり目のようにさりげなく
通勤電車で会うだけの
君の声どころか笑顔さえ
知らない僕は何も知らない
いきなり寝顔をほめたって
気味の悪い男になるでしょう
言えない僕は何も言えない
飾り気のない君の指見つめすぎて行く
どうしたら僕たちは始まるのだろうか
ひと雨ごとに季節は変わる
もしかして僕たちは始まっているのかな
季節の変わり目のようにさりげなく
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