思い出のようです
曖昧な君の記憶に
曖昧な僕は刻まれる
知らない誰かとまざりながら
憂鬱な朝に蘇る
あの日あの場所の誰彼と
ごっちゃにされてはかなわないが
一夜を過ぎて季節を跨ぎ年をとって
変わらないようで変わってく自分に気づかない
僕は君を想いました
とても大事に思いました
よく知らない町で君を待ちぼうけました
君と時間を過ごしました
テレビも見ずに過ごしました
振り返る度に君は美しくなります
不器用なだけ深々と
お互いの傷は刻まれる
似たような誰かを避けながら
*
幸福な夜の入口で
あの日あの場所は蘇る
君の面影がやはり優しい
一夜を過ぎて季節を跨ぎ年をとって
変わらないようで変わってく自分に気づかない
僕は君を想いました
とても大事に思いました
会えない夜は電話をかけ続けました
君はまるで思い出のよう
今もきっと生きているのに
ただただもう二度と
会うことがないだけなのに
僕は君を想いました
とても大事に思いました
よく知らない町でただ歩き続けました
古い話と笑えるかわり
今日もひそかに願いました
思い出よりも君は美しくありますように
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