二月


踵の減った靴で階段を昇りました
時間よりも早めにあなたを待っていました
通り過ぎ行く人はわき目も忘れて
急いで暖かい部屋を目指して
自分の足下を見ています

あの冬は毎週膝まで積もりました
アスファルトや街路樹から片手で掴めるほど
編み目も凍るまで丸めてぶつけ合って
慌ててあなたの部屋に入れば
眉毛までびしょぬれました

あなたの肩を痺れる指で
掴んだままで嚔を三つ洟

お正月よりも車のない町を
我が物顔ではしゃぎ回って
交差点に達磨を立てました

毎週末に上手いこと積もって
ふたりの秘密 火曜日には解けてました

二月に入って雪が降らないと
知らない町で暮らしているような気もします

あなたとあの日歩いた公園の
氷の浮いた池の辺りを歩きます

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