さらわれた秋桜
幾つも傷を背負ってきたつもりで
叶うことも適わぬ事も
少しは分かった気で出会った25の春
悲しい顔を辞めて歩いてみたら
思いの外に期待以上の
誰かに出会ったりすることも分かった
君がどこかからさらってきた秋桜の花を
はたして僕はもう一度見られるのだろうか
君は忘れるのでしょう 一晩もあれば
男は黙って忘れられない夜を頼りに生きる
光にあてて水をあげるばかりか
祈ることもあっても良いと
少しは分かった気で過ぎた25の秋
嬉しい顔を一度さらしてみたら
今にも歴代一番の
誰かに出会えたりすることも分かった
君がどこかからさらってきた秋桜の花を
はたして僕はもう一度見られるのだろうか
君は忘れるのでしょう 一晩もあれば
女は決まって忘れさせてくれる誰かと出会うから
君がどこかからさらってきた秋桜の花と
はたして僕はどれくらい違うのだろうか
君は忘れるのでしょう 一晩もあれば
それなら今は忘れられない男になっていよう
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