朧ろの奔流


溜息が汚した窓ガラスに
小指で刻んでみた名前
一息で浮かんだ文字とともに
鼓動が耳を裂くようで

いかないでもうここにいて
そばから二度と離れないで
未来など語らないで
明日にもここをあとに出来るなら

倫ならぬ日々と笑いながら
乾いた嘘を並べていた
傷跡を流した時とともに
涙が渦を巻くようで

いかないでもうここにいて
そばから二度と離れないで
未来など語らないで
明日にもここをあとに出来るなら

帰らざる日々から離れるほど
何処かで交差する気がして
朧気な記憶をたぐり寄せて
時折一人が恐くなる

いかないでもうここにいて
そばから二度と離れないで
未来など語らないで
明日にもここをあとに出来るなら

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