迷球のガリバー


迷球の謎は刻々と鮮やかに暴かれてゆく
侵されていったものたちの骨拾う迷球のガリバー

星を見失った頃からプラネタリウムは偉くなった
海で泳げなくなってからは水族館まで偉くなった

遅すぎた僕たちは。いつもそうだね。後手後手
そしていつも全部過去のせいにしたね。

分が秒になった頃からデジタル時計も桁が増えた
夏が冬になった頃からアニミズムまでが流行りだした

早すぎた僕たちは。せわしみぐるし。ゴテゴテ
そしていつも全部時代のせいにしたね。

雌が雌でなくなってから世紀末は咀上を巡った
雄が雄でなくなってから世紀末はしぼんでいった

無垢やら不毛に憧れたけれど
無知やら未開に憧れたけれど
ここも長くはいられまい
ここも長くは続くまい
今ガリバーは顎を出す。

愛が記号化された今でも赤い血は路上に撒かれる
夢が理想とされた頃でも赤い血は途上に撒かれた

大が小を兼ねた頃には誰もが言葉を知っていた
大を小がのんだ頃には誰もが言葉を忘れていた

太古の彼方に見るはずの夢も
未知への途上に見るはずの夢も
実はどこかでみてきてた
実はどこかで手にしてた
今ガリバーは舌を出す。

街が家で埋まる危惧より人は種をより憶えていた
陸が人で埋まる危惧より人は種をよく憶えていた

核が脅威だった頃より核は核になっていった
核の虜だった頃より核は核になっていった

やり場をなくしたフェノタイプ
どこに墓穴の空きが満たされないと嘆いてる
往き場をなくしたジェノタイプ
ここに無限の生が許されないと知っている

ここも長くはいられまい
ここも長くは続くまい
今ガリバーは舟を出す。

迷球の謎は刻々と鮮やかに暴かれてゆく
侵されていったものたちの骨拾う迷球のガリバー

迷球の謎は刻々と鮮やかに暴かれてゆく
時代をまたぎ越え真実を永久に語れよ迷球のガリバー

迷球の謎が解けた朝いさぎよく哲学は果て
最後のタバコを吸い込んで目を閉じた迷球のガリバー

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